④「ない前提」だった私のハナシ〜主婦からの起業ストーリー〜
前回の続きです。前回の話しはこちら
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妊娠して、娘の世話に全力をあげ始める少女Y。(もはや少女じゃないとの指摘ありつつ)
毎日、本当に忙しくて。あっという間に一日が終わる日々。
それでも、「なにかができる自分」が嬉しくて嬉しくて。
誰かに必要とされる喜びが大きくて。満たされていて。
あったかい卵の中に自分が入っているかのような感覚で。
ほんのさっき、この世に生を受けたばかりの儚くて、もろくて、生きる歓びそのまんまの、愛しくて小さい生き物が、目の前でなにかに手を伸ばす様子に涙ぐみ、私を呼ぶふにゃふにゃした声に涙ぐみ。
「ゾウさん」の歌の「そうよ、母さんが大好きなのよ」の歌詞で泣き崩れ。
「お母さんと一緒」の「ぼよよん行進曲」で涙ぐみ。
いや、完全に余談だけど、この「ぼよよん行進曲」はすごいよ。涙止まらんよ。ぜひ、一度聞いてみて。(泣きすぎ疑惑)
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https://youtu.be/nAjJluQCSGE
この小さい人のオムツを変えて。授乳をして。オムツを変えて。授乳をして。
エンドレスに繰り返しながら、少しずつ大きくなる彼女を見ていて、ある日ふと気がつくわけです。
あれ・・・?この子、また大きくなった。そうだよね、この子はいつかもっともっと大きくなるんだ。
自分の足で歩き出すんだ。
彼女は、「かぐや姫」なんだ。
私は、預かってるだけなんだ。お世話をさせてもらってるだけ。この愛しい生き物の、ひとりで歩けないほんのひととき寄りかかる役目を与えてもらっただけ。いつか、自分の意思を持ち、自分の喜びを持ち、自分の夢を見つけ、そして、自分のちからで歩き出す。
そうしたら・・・
私、またどうするんだろう・・・?
また、なんの役にも立たないお荷物になるのかな・・・。
と、そんなある日。
家からあんまり出ることなく、うんともすんともない小さい人相手に奮闘していて。
ちょっとは外に出てみよう!と、決意しまして。
生後7ヶ月の娘を連れて、初めて2駅先の駅にある百貨店でママ友とお茶をすることにしたわけです。(大冒険!)
あぁ〜・・・世界ってこんなに広かったんだ〜・・・。
赤ちゃんとふたりきりの生活って、狭かったんだな・・・。
もっともっと外に出るようにしなきゃ・・・と感動した矢先。
地面が揺れました。
その日は、2011年3月11日。
ミシミシと音を立てて、大きく揺れる建物。
店内の照明が船の中にいるかのように、左右に揺さぶられて。
7ヶ月の娘を抱きかかえて、急いでテーブルの下にもぐって。
きょとんとした娘を抱きながら、言いようのない恐怖に襲われました。
頭の中では、昔ニュースで見たことがある中国の百貨店崩壊の映像が流れ。
あ、死ぬかもしれない。
と思ったわけです。
でもね。その時に思ったの。
「あ、人って、死ぬことって怖くないんだな」って。
それがすごく意外だったんだけど、それと同時に自分の中に湧き上がってくる感情に驚きました。「死」単体以上に怖いことがある、ということに気がついた瞬間でした。
それが、これ
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死を意識したときに後悔してることって、こんなに怖いんだ・・・!
衝撃でした。
もう、震えるほどに怖かったわけです。そこで、「あぁ、私後悔してる」と気がついてしまって。
「なにかを残したい」と思っている。
なにかをしなくてはいけない、と思っている。
まだ、やり残したことがある。
その自分の「本当の気持ち」に気がついた瞬間でした。
これを生き延びたら、きちんと生きよう。そして、「なにかを残したい」と本当の気持ちが言っているのだったら、自分を動かさなきゃいけない。
そう強く思ったわけです。
そして
電車が止まり、大混乱の中なんとか家に帰り。
やっとの思いで帰宅した私の第一声がこちら。
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私、本だす!
いや、ちょっと待て。
飛躍がエグい、と思ったそこのあなた。
正解です。
それまでそんな話ししたこともない人がね。
いきなりそんなん言い出したら、こう答えますよね。
「え?なんの本?」←正論すぎる
(なんだって?!)
そして、それに対してこう答える少女Y。
「分からない!」(キッパリ)←おい
(ずこ〜)
「っていうか、むしろ、なんだと思う?」←むしろ聞いたよ
ここから、青木ゆか誕生物語がスタートするわけですが・・・
続きは、⑤へ・・・!